T はじめに

 

 本研究は、近年飛躍的な発展を遂げているインターネットGISを援用して、マレーシアの人口統計における主題図を提供するとともに空間分析を可能にする地図情報システムを構築することを課題としている。

インターネットGISは、1990年代の後半から普及し、さまざまなサービスが世界中から発信され、これらのサービスを実現するソフトウェアも提供されている(第1表)。とくに最近、OSを問わず動作するJava言語を用いて構築したシステムが増えている。

  

1表 主要なインターネットGIS用ソフトウェア

ソフト名 OS GISタイプ 入手先
ArcView Internet Map Server(IMS) WindowsNT ベクター http://www.pasco.co.jp/gis/i-gis/index.htm
GeoMedia WebMap WindowsNT ベクター http://www.hzs.co.jp/products/GPSGIS/geomedia/

web_v/index.htm

MapGuide WindowsNT ベクター http:// www.autodesk.co.jp/
MapObjects Internet Map Server(IMS) WindowsNT ベクター http://www.pasco.co.jp/gis/i-gis/index.htm
MapXtream WindowsNT ベクター http://www.msr.mes.co.jp/mapinfo/
Fire WindowsNT/UNIX ベクター http://www.formida.com/
ArcIMS(1999年リリース予定) WindowsNT/UNIX ベクター http://www.esri.com/news/releases/99_2qtr/arcimsv30.html
JMAPPER WindowsNT/UNIX/

Mac

ベクター http://www.jmapper.com/
Jshape WindowsNT/UNIX/

Mac

ベクター http://www.jshape.com
GrassLinks UNIX ラスター http://

wgrass.media.osaka-cu.ac.jp/~grass/indexj.html

OpenMap WindowsNT/UNIX/

Mac

ベクター http://openmap.bbn.com/

 

本システムは、筆者らが現在実験的に公開している「歴史統計インターネットGIS」(http://giswin.geo.tsukuba.ac.jp/teacher/murayama/history/index.html)を発展させたものである〔第1図〕。とくに、速度面の改善を図り、前システムの約100倍のスピードアップを実現している。このため、転送データ量を減らすために地図データを総描する必要がなく、地図データは加工せずに、そのまま転送できる。また、属性データに関しても、前システムのように一項目ずつではなく、すべての項目を一括して転送するよう改良した。なお、地図ファイルの読み込みには、イギリス・リーズ大地理学科で開発されたフリーウェアJava Shapefile Reader Ver. 1.0bのJavaプログラムを修正して使用した。

 

第1図 インターネットGISのしくみ

 


前へ

次へ