空間情報科学分野とは


空間情報科学分野は,大学院の改組にともない,2000年度から大学院博士課程生命環境科学研究科(2020年度より理工情報生命学術院 生命地球科学研究群に組織変更)に新しく設けられた分野です.本分野は,GISで博士の学位を取得できる日本で数少ない博士課程コースで,リモートセンシングやGISを活用する地理学的研究を通じて,広義の地球環境科学に貢献できる研究能力の養成を目的としています.

この分野が所属する「地球環境科学専攻」は,旧地球科学研究科の「地理学・水文学専攻」に相当し,新設された生命環境科学研究科に移行するのに合わせて名称を地球環境科学専攻と改めました.さらに,2007年度からは区分制に移行し,当分野は博士前期課程では「地球科学専攻」,博士後期課程では「地球環境科学専攻」の一分野として機能します.

その教育・研究の目標は「地球環境の実態とその自然科学的プロセスやメカニズムを時間的・空間的に研究し,かつ人間環境を含めて総合的に解明しようとする」というものです.

この文言は,地球環境の研究には自然現象と人間活動への総合的アプローチが不可欠であることと,本学の伝統ある地理学領域が今後,地球環境についての総合的研究・教育を推進することを明示したといえます.

空間情報科学分野はこの目標に向かって,GISの教育・研究の展開に力を注ぎます.本分野は,本学の地理学領域における研究・教育の蓄積と人的基盤のうえに発足し,幅広い地理学諸分野のスタッフと学際的・有機的な関連をもちつつ,GISの教育・研究を行うことが可能です.

空間情報科学の人文地理学分野への応用例


空間情報技術は従来の人文地理学の手法では扱えなかった対象のダイナミズムを可視化し,問題解決への糸口を示してくれます.例えば,左上の図は1974〜99年の細密数値情報を用いて首都圏の都市化をモデリングし,今後の都市化を予測したものです.GISを用いて時系列のデータを解析することで,将来への意思決定の支援が可能となります.もう一方の図は地域メッシュ統計をもとに再構築した人口データです.この手法により従来の1kmグリッドでは捉えにくかった人口密度の傾向が明らかになります.

空間情報科学の自然科学分野への応用例


空間情報科学分野では人文社会学への応用だけでなく,自然地理学を初めとした自然科学の領域も研究対象としています.

関連した学術分野への空間情報技術の積極的な応用により,新たな現象の解明や,広域のモニタリングを可能にしています.ここに挙げた例は,GPSを用いたパラグライダーの飛行軌跡を辿ることで,上昇気流の位置をモニタリングしたものです.一方は10mDEMから生成した伊豆大島の傾斜角度分布図です.限られた平坦地の有効利用を考える基礎的な資料となります.


2013年度版 空間情報科学分野ポスター【PDF】

研究室紹介スライド(2013)【PDF】


2012年度版 空間情報科学分野ポスター【PDF】


2011年度版 空間情報科学分野ポスター【PDF】

入試実施要綱・過去問題はこちらのページをご覧下さい.

統計と情報の専門誌「エストレーラ」2011年10月号(No.211)で当研究室が紹介されました.
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河合塾の進学情報誌「Guideline」2013年11月号でGISについて取材を受けました.
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研究室紹介スライド
筑波大学における地理情報科学の推進【PDF】

2008年度版 空間情報科学分野ポスター【PDF】


2007年度版 空間情報科学分野ポスター【PDF】 1 2 3